この世界は実在しない幻想の世界です。
私たちのマインドが見ている夢の世界であり、
私たちは肉体の中に住み、物質世界で暮らしているという夢を見続けている状態です。
ハイヤーマインド(ハイヤーセルフ)は、
「この世界は幻想だから喜びなさい。あなたの見ている苦しみは幻ですよ」と言いますが、
思考をフィジカルマインド(エゴ)に支配された状態では、【幻想】と聞いても喜ぶどころか憂鬱になってしまうでしょう。
なぜなら、幻想の向こうにどんな世界があるのかまるで想像できないからです。
幻想だと自覚しつつ、この物質世界で生きるとはどんな感覚なのでしょうか。
私たちは毎日の生活の中で、目の前のものが、今自分が体験していることが、
ぜんぶ【夢】だと信じることは本当に可能でしょうか。
マスターと呼ばれる人たちは最終的にこの状態に到達し、この夢の世界を卒業していきました。
マスターと呼ばれることがなかった名もない人たちの中にも、この状態に到達できた人はたくさんいます。
もし本当に夢から覚めたなら、二度とこの世界に戻ってこないし、戻りたいとも思いません。
私たちがこの夢の世界に居ながら完全に夢から覚めたなら、
それは『本当の自分』を思い出したってことであり、
その人の波動はどんどん上昇し、波動の低い肉体を維持するのは不可能になるそうです。
『本当の自分になる』=『自動的にこの世界から消える』ということです。
だんだん『本当の自分』に近づくと、目の前で繰り広げられる【幻想劇】、
分離をテーマにした【分離劇】に振り回されることが少なくなります。
今見ているものが、今体験しているものが、ファンタジーだって完全に自覚できていれば、
何かの出来事に一時的にショックを受けてもじきに忘れてしまいます。
私たちが恐ろしい夢を見たとして、起きてしばらくはその夢の余韻を引きずるかもしれませんが、気づくと忘れていることはよくありますよね。
それは自分の見たものが【夢】だって完全に自覚しているからです。
テーマパークで怖いアトラクションに乗ったとしても、
「あ~、怖かった」なんて言いながら、気持ちはもう次に乗るアトラクションに向いています。
どんなに怖がっても、どんなに驚いても、「ハイ、次これ!」「次はあっち!」と一日たっぷり遊んで楽しい気分で家路につきます。
自分の体験が、
【本物と信じて楽しむ】のと、
【幻想だと自覚して楽しむ】のとは、
同じ『楽しむ』でも結果はまったく違ってきます。
楽しい体験を本物だと信じていれば、
それと同じくらい辛くて悲しい体験も【本物】と信じてしまうことになるわけです。
結果としてその苦しみから抜け出すのに時間がかかってしまいます。
幻想から目覚め始めると、適度な距離感で【辛い経験】を眺めることができ、立ち直りがだんだん早くなります。
そして、この世界にしかない幻想の産物である【肉体、モノ、金、地位、名誉】などにだんだん執着しなくなっていきます。
まったく興味がなくなるとか、まったく関わらなくなるということではありません。
ただ、自分の中でその必要性が薄らいでゆく、優先順位が変わってくるようになります。
幻想だとわかってくれば、この世界にあるものを、そのときどきに適度に楽しむことができます。
「適度に」というのは、お金でもモノでも恋愛でも、過度に執着しなくなってくるので、
いい意味で何にも振り回されなくなるわけです。
そのときどき起こる出来事を、適当に面白がって、適度に楽しんでゆく。
ネガティブなことはサッサと忘れるか、
逆にそのネガティブなことを楽しんでしまえる心の余裕が生まれます。
そしてこの世界を離れるときは、この世界のものは何にも持っていきません。
この世界での価値観は全部この世界に置いて、『神』の待つ我が家に帰ります。
完全に目覚めたら、どんな出来事がやってきても平気になります。
フィジカルマインド(エゴ)がぶつけてくるあらゆる経験を笑い飛ばすことができるようになります。
『神』の待つ我が家に帰るってことは、俗にいう“死”とは違います。
よく「天国に行けば『神』が待っている」と言いますが、その話と混同しないでください。
通常の“死”は、『あの世』へ行ってから再びこの世界に戻ってくるわけです。
このサイクルは実際には【物質世界という夢→非物質世界という夢】を行ったり来たりしているだけで、
『神の待つ世界』に帰っているわけではありません。
夢から完全に覚めたら、神と完全に一体化して(今も一体ですが)、一切の分離、一切の違いのない世界と一つになります。
いわゆる【霊界】と呼ばれる世界は、
波長の同じ者が寄り添って存在しており、
波長の違いによって階層化しており、
この物質世界よりはずっと『神が待つ世界』を反映してはいるものの、
やっぱり物質世界同様にいろいろなものが分離して見える、いろんなものが違って存在する【分離の夢】なのです。
ちなみに僕自身はまだ夢から覚めていませんよ。
もし完全に夢から覚めていたら、今ここでこれを書いていません。笑
幻想とわかっていながら、この幻想世界を楽しむ。
幻想と自覚しながら、幻想の毎日を生きる。
私たちにそれは本当に可能でしょうか?
僕は可能だと思っています。
そうなれる時期に個人差はあります。でも誰もが必ずそうなれます。
そうなれる資質、そういう能力をみんなが持っていると確信しています。
どうしてそう信じるかというと、たとえばですね、
ディズニーランドのミッキーが本当にアニメーションの世界から飛び出してきたと信じている人はいませんよね。
ミッキーの着ぐるみの中に人間が入ってることはみんな知ってますよね。
しかし、ランドでミッキーが目の前に現れたら、みんなテンション上がりますよね。
ミッキーの中に人が入っていると完全に自覚しながら、キャーキャー喜んだり、感激して泣いたりしてますよね。
USJのホグワーツ城は本物じゃないことはみんな知っていますが、目の前で見たら感動しますよね。
こんなふうに私たちには、
【幻想と自覚しながら幻想を楽しむ能力】
をちゃんと持っているのです。
私たちは夢から目覚めることが怖いから、いつまでも夢の世界にいます。
目覚めることが怖いから、この世界を現実と信じることにしています。
これはたとえるなら、「家に帰ると地獄が待っているからずっとこのテーマパークで生きていこう」と考えるようなものです。
ディズニーもUSJも楽しいですが、『神の待つ世界』はその何千倍、何万倍も楽しいと聞いたらどうしますか???
この人生で欲しくて欲しくてたまらなかったものが『神の待つ世界』では全部手に入ると聞いたらどうでしょうか???
『本当の自分に戻る』ってそういうことなのです。
『すべてが一つの世界』ってそういう所なのです。
何も失いません。逆にすべてを手にするのです。失ったと信じていたものが全部帰ってくるのです。
素晴らしいと思いませんか!!!
思わないとしたら、あなたはかなりフィジカルマインド(エゴ)に支配されています。笑
そのためにはいろんな出来事をゆるしていくしかありません。
いろんな人をゆるしていくしかありません。
過去の自分、現在の自分もゆるさなくてはいけません。
「ゆるせない」=【ここが現実と信じてしまっている】ということですから……
他人のしたこと、自分がしてきたこと、自分の身に起きた辛い出来事……
これらを「ゆるせない」のは、夢を真実と信じてしまっているからです。
真実と信じてしまっているから、受け入れられないし、ゆるせないのです。
でも、ゆるすことができれば、それはもうあなたにとって【真実】ではなくなります。
ゆるすことであなたは幻想の一つを手放すことができるのです。幻想の一つを完全に否定してみせたのです。
それが「ゆるし」であり、
それが、夢から醒め、本当の自分に帰るということです。
どんなに時間がかかっても、すべてを受け入れてみるしかありません。
ゆるせばゆるすほど人生は楽しくなります。
やってくる【困難】を逆に楽しめるようになると、自動的にいろんなものをゆるせるようになります。
どんなにつまらないアトラクションもあなたのマインドがつくりだした夢です。
この世界は、あなたのマインドが、あなたの視点でつくった夢の世界ですから。
それを最高に面白いアトラクションに変えることができるのもやっぱりあなたのマインドなのです。
あなたはテーマパークのゲストであると同時に、このテーマパークの作者でもあるのです。